乗鞍エコーラインをロードバイクでヒルクライム!

自転車旅行

「夏はやっぱり乗鞍登らないかんね」「乗鞍は良いよ、絶対行った方が良い」「週末は乗鞍行ってくるわ」と、毎年夏になるとY田師匠が私に乗鞍について話してくれました。Y田師匠は御年70歳超えの生粋の自転車乗りで、東海地方のあらゆる道を走った事があると言っても過言ではありません。そんなY田師匠が毎年仕事で日焼けした笑顔で「ニカッ」と乗鞍について話すので「乗鞍ってそんなに良い所なの?」と疑問でした。そんな「疑問」はいつしか「憧れ」に変わり「目標」になっていました。

今回はそんな乗鞍を走って来た旅の記録をブログにまとめておきます。

走って分かった実際の事情、見所、休憩ポイントを踏まえた「旅の記録」を写真多数でまとめています。駐車場情報や持ち物、注意点など乗鞍に関する基礎知識は前回記事をご参照下さい。

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夏の思い出!乗鞍エコーラインへ行こうか?

2020年の夏はコロナウィルスの影響であらゆる分野で「自粛」が叫ばれていました。そんな自粛ムードが長らく続いていて、これじゃぁ「観光業界」が倒産してしまうと政府がGoToトラベルキャンペーンを始めていました。

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去年、乗鞍行きたかったのに兄ちゃんが奈良行くって言うで行けんかった。今年こそ乗鞍行こうぜ!

去年はお盆休みに弟が乗鞍に行きたいと言っていたのですが、体調不良だった私は旨い事誤魔化して奈良の「燈花会(とうかえ)」に行ったと言う経緯があり、後ろめたい所がありました。

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GoToキャンペーンで宿も安くなるし行くか、乗鞍

いつもの事ながら計画するのが遅くて9月10日木曜日に思い立って、9月12日土曜日に行く事になりました。もっと事前から計画しておけば良かったのですが、思い立ったが吉日です。通勤電車の中で二人で調べてLINEのやり取りをして、最終的には「まぁ、行ってみれば何とかなるだろう」と言う事になりました。

乗鞍前日宿泊「美鈴壮」の予約を失敗!

直前の金曜夜に宿を予約して出発し、乗鞍で一泊して良く寝てから走る事にしました。それで、金曜に仕事が終わってから宿を何処にするか探していました。弟にココで良いか?とLINEして返事が来ないので予約完了ボタンを押す画面で放置して風呂に入ってくつろいでいたら、返事が来ました「OK」と。

それで宿を予約しようとしたら予約ができません。何!?と思って再度読み込みさせてみると、当日予約が既に出来なくなっていました。他の宿泊予約サイトに行っても同じでした。どうやら21時~21時30分位になるとシステム上、当日予約が締め切られてしまう様でした。

ちなみに、宿は最終チェックインの時間決まっている宿が多く24時頃までにはチェックインが必要でした。そんな中でも「美鈴壮」という宿が「23時~明朝」までのレイトチェックインが可能な宿でした。しかもお風呂は24時間入浴可能!ここにしようとしていたのですが残念です。

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宿予約できんくなってしまった。しゃーないから寝てから朝3時頃に出発でどうか?

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OK

宿の予約は早くしておいた方が良い。いきなり予約できなくなる場合もある。

乗鞍観光センター駐車場到着!

早朝に起きてから、車で家を出発して「乗鞍観光センター」駐車場に到着した頃には既に朝10時を過ぎていました。駐車場にはそれなりに車が止まっていましたが、まだまだ空きはある状態でした。

寝不足だし、仕事の疲れが取れている訳ないのですがテンションは最高潮です。憧れの乗鞍ですから。

乗鞍観光センター駐車場にはトイレもあるし、オシャレなカフェも併設されていました。

今日は到着が遅かったので朝食はコンビニで買った「ウィダーインゼリー」と「ガトーショコラ」で済ませて出発することにしました。ちなみに近くにはオシャレな喫茶店も何店舗かあります。

乗鞍観光センター

登山される方の姿も見られました。

乗鞍ヒルクライムの服装と持ち物

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どんな装備で登る?服装は?

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分からんかったから適当にカバンに詰めて色々持ってきたぞ。周りの人たちは半袖ジャージの夏仕様の人と長袖ジャージの人とがおるな。見る限りは夏仕様の方が多そうだ。

という事で、乗鞍観光センター駐車場でこれから出発していくサイクリストの方々の様子を伺いつつ服装と持ち物を決めて出発しました。9月12日くらいだと半袖ジャージでも大丈夫でした。

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帰りは下り坂だからウィンドブレーカーとフルフィンガーグローブは必須だな。サイクルジャージは長袖使うか。一応、腹巻と耳当てとフェイスマスクを持って行く事にする。あとミラーレス一眼とgoproだな。

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荷物多いな。俺が買ってきた熊除けの鈴つけたか?

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おう。サドルバッグに付けたぞ。

乗鞍ヒルクライム開始~三本滝駐車場

最初は軽い上り坂です。

無理せず時速10km程度で走って慣らしていきます。

乗鞍観光センター駐車場よりも先にも駐車スペースがありました。今からあの遠くに見える山に登って行くのかぁと感慨に浸りながら走ります。

森林浴しながら気持ちよく登って行きます。時速7kmくらいで走り続けます。総走行距離が20kmくらいだから時速7km平均で走り続けると3時間近く掛かる計算です。

50分くらい走った所で三本滝駐車場に到着しました。

マイカーで来ることが出来る最終駐車場です。

「位ヶ原山荘」までの道のり

スキーリフトがありました。

冬はスキー場になる様子です。

所々で花が咲いていて綺麗です。

乗鞍は静かな所で、サドルバッグに取り付けた熊鈴の音と、時たま下ってくる人のロードバイクのラチェット音、その他聞こえてくるのは自分の呼吸の音くらい。いや、何か聞こえるぞ?そう思うと時たま滝がありました。

涼し気で癒されます。

霧が掛かっています。先に走っていた弟が待っていてくれました。時刻はもう12時を過ぎていました。

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腹減ったなぁ、何か食べる物持っとらん?

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水しか無いぞ

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俺も水しか持っとらん。しまったな。何か食べる物持ってこなかんかった。

何か無いかとサドルバッグをゴソゴソと探るとアミノバイタルの粉末を発見しました。

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ええもん発見した。糖分だ!

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ええね。

補給食と水分は持って行った方が良い。

さらに登って行きます。たまにアルピコ交通のバスが登ってきます。細い道を走っている時は横に避けてやり過ごします。

次第に標高も高くなってきました。

位ヶ原山荘は2,350m地点にあるオアシス

何か建物が有る!何だ!?と下調べが不十分で知らなかったのですが、乗鞍観光センター駐車場からゴールの畳平山頂までのちょうど中間地点辺りに「位ヶ原山荘」があります。

春登山バスの終点になるのが「位ヶ原山荘」で、戦前からある建物なのだそうです。山荘と言うだけあって宿泊も可能とのことでした。

乗鞍観光センター駐車場から16km、獲得標高2350m-1500m=850mを走って来たことになります。あと5km、標高2710m-2350m=360mを走る事になります。

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乗鞍観光センター駐車場から山頂までの中間くらいの位置にあるってネットに書いてあるけど、中間より進んだ位置にあるな。

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あと5kmか、ええな。おっ!食べ物があるぞ!

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ぐうぉー蕎麦!蕎麦があるぞ!

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俺は「ろんぐらいだぁす」に出てきたと言う「おしるこ」にする。

店内でも飲食できたのですが、外にあった机と椅子で食べました。気持ちが良い!旨い!最高!まさか乗鞍ヒルクライム途中で蕎麦が食べられるとは思っていなかったので救われました。

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旨い!旨い!こんな旨い蕎麦がこれまであっただろうか!いや無い!

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おしるこも旨いぞ。お餅もちゃんとした焼餅だ。

位ヶ原山荘では、他にペットボトルの飲み物も売っていましたし、トイレもありました。トイレは水が貴重という事で1回100円の有料トイレです。山頂のトイレも100円だったので、乗鞍ヒルクライムする際には100円玉を何枚か持って行く事をお勧めします。

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頂上までもう少しだな

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おう、でもなんか天気が怪しいな

乗鞍「森林限界」突入!

天気の心配をしながら走り始めると、パラパラと小雨が降ってきました。

ウィンドブレーカーを羽織ると小雨程度ならはじいてくれます。ミラーレス一眼レスはサドルバッグに入れて雨に濡れないようにします。サイコンに目をやるとと既に2時間程度走っていました。

走って来た道を見下ろすと、よくここまで走って来れたものだと我ながら感心します。

さっき食事した「位ヶ原山荘」と下って行くバスが見られます。ここで諦めてダウンヒルしようものなら、あっという間に「乗鞍観光センター」の駐車場まで戻れるんだろうな。しかし、その選択肢は無いな。有り得ない。

小雨の中登っていくと開けた場所がありました。ここは雲の中なのだろうか?それとも霧の中なのだろうか?

登って、登って、登って、登って、一体どれだけ登ればゴールに辿り着くのだろうか?これはサラリーマン人生に似ている。そう思ってから後悔しました。こんな所まで来て仕事の事を思い出すなんて、我ながらどうかしている。一人苦笑いして写真を撮りまた登り始めました。弟はずっと先に行ってしまっています。

森林限界に突入する頃には、とっくに自分の限界は突破していました。なんなら5合目くらいに置いてきました。

一変した景色を見ると低木など高山植物くらいしか生息できない過酷な環境です。森林限界を突破して暫くすると勾配がキツくなって速度が落ちました。心拍数も上がるので、止まって写真を撮り休憩してまた登るを繰り返します。

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ぐぅぉぉぉぉ!虹だ!虹が見える!

気が付くと小雨も止んでいて、走って来た道の遥か彼方で虹が見えました。雨が降ってきた時は凹んだのですが、雨に降られた事もラッキーに思えてきました。

ロードバイクで走って感動した景色の場所に車で行ってみたら全然感動しなかった事なんて今まで何度もあります。きっとそこに至るまでのストーリが有るのと無いのとでは感動が違うのだと思います。つまり、何が言いたいかっていうと、この虹の感動は乗鞍を走らなければ分からない。って事。

汗が出る度に気化されて、一息一息吸う度に肺から熱が放出され、ペダルを回す度に浄化されていく、そんな錯覚に陥ります。

もう足はクタクタだし、なんなら背中まで張ってきました、心拍数も上がりっぱなしだし、それなの、何でだろう「この坂が終わらなければ良いのに」と思ってしまいました。

ここは良い所だ。

また、来年も、再来年も、また来たい。

今日は雲に覆われていたけれど、

雲の無い景色はどんなだろうか?また違う景色が見られるだろうか?

でも、これはこれで味があるな。

俺ら自転車乗りにとって、限界はスタート地点であり、失敗は話すネタが増えた事であり、トラブルは楽しむ物である。困難は旅のスパイスでしかないし、ゴールはしてもしなくても良いものであって、旅路そのものが楽しみなのである。つまり、どう転んだって楽しい事しか起きないのが自転車であって、最強なのである。

乗鞍山頂「畳平」到着

岐阜県の看板があるという事は!山頂です。長野側から登っていたので山頂以外で岐阜県の看板が有る訳が有りません。山頂だぁぁぁ!

乗鞍めちゃ熊出とる看板発見!リアルすぎて怖っ!

池がありました。鶴ヶ池です。

畳平のバス駐車場まであと少しだっ!もう道も平坦です。

到着だぁぁぁ!

弟のロードバイクがバイクスタンドに止めてあります。当然ですが既に着いて休憩していました。

乗鞍岳畳平山頂で記念撮影をしようとしたら、一瞬雲が晴れました。祝福されたのか!?

山頂の自販機で買った水の旨いこと!旨いこと!ちなみにペットボトルはお持ち帰り下さいとの事でした。それでは次回、ダウンヒル編に続きます!

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