「ミツマタの群生地が新城にあるんだって!ロードバイクで見に行こうぜ!」唐突に私は弟をLINEで誘いました。勤務途中の電車の中からのことでした。すると、弟も通勤途中の時間帯なのですぐに返事が戻ってきました。「ミツマタって何?」と。ミツマタの知名度の無さを思い知らされたスタートでした。これが「新城ミツマタ群生地ライド」の始まりです。
新城ミツマタ群生地ライドのルート
月曜日に弟にLINEして、金曜日頃にようやく弟がミツマタを理解てくれました。
弟)「ミツマタ何か分かったぞ、Instagramで載せている人おった。ええね。」
私)「いくか?新城総合公園出発な。」
弟)「おう。昔、駐車場閉鎖されて出られなくなったことあったな。」
※三河湖・羽布ダムのサイクリングで絶望する話!
私)「そこな。そこまで車で一緒に行ってから出発しよう。」
弟)「りょ」
という事でルートを作成しました。新城総合公園を出発してミツマタ群生地までのルートで距離は21.4kmです。途中で寄り道して「四谷千枚田」に行くこともできるルートにしておきました。
新城総合公園出発 8:30
私)「もう今日で3月も終わりだって言うのに寒くないか?」
弟)「おう。寒みー!」
私)「俺、腹巻してくわ。耳当て持って行こうかな・・・」
弟)「俺、Raphaのキャップ耳まであって暖かい。」
私)「ええな。」
と、そんなやり取りをしながら車から自転車を下ろして準備して、新城総合公園をようやく出発しました。新城総合公園の桜はまだ3分咲程度といった様子です。寒さが桜の開花に影響しているようです。
2月後半頃から、体調が悪く自転車に乗れておらず、風邪気味でもあった私は瞬く間に弟に差をつけられます。前方を見ると雲行きが怪しいし・・・不安が募ります。
あっという間に雨が降ってきました。
弟)「どうする?帰るか?」
どうしてもミツマタを見たかった私は行くと言い張りました。体調は悪くて仕方がなかったのですが、「絶対にミツマタを見る」と心に決めていました。
私)「行くに決まっている。」
弟)「しゃーない。行くかー!」
雨を弾いていたウィンドブレーカーもいよいよ水を吸い始めました。指先も冷えて、腕も冷えて、風を受けるので次第に体温が奪われていきます。
私)「腹巻してきて良かった」心からそう思って一人呟いていました。
それからまた、弟との距離が離れていく中で、ふと昔読んだ本のことを思い出していました。それは、ナチスドイツのアウシュビッツ収容所で生き残った人と、そうでない人との違いについての話です。
なぜ生き残れたか?
亡くなってしまった人との違いは何だったのか?
研究して調べてられた結果、人種・性別・収容時の体力・健康状態などは関係が無かったそうです。では、一体何が生死を分けたのか?
私)「そうだ、そうだったな。」
私)「このミツマタ群生地を探す旅で、なんでこんなこと思い出したんだろうな。」
寒さに体力を削られて、風邪気味のせいなのか喉の奥のほうがかすかに痛い状況で、それでもミツマタを見たいと思っている。私は生き残れる方かな・・・そう思うと、ふと笑っていました。
その答えは!?
次回へつづく。
コメント